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海の沈黙

この記事は、主に本木雅弘の演技力の高さについて語っていきます。

助演に小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオル、清水美砂、村田雄浩ら豪華キャストが集結。物語の核心である「美とは何か」「芸術家の尊厳とは何か」という問いに迫ります。

主人公・津山竜次を演じるのは『おくりびと』で世界に名を知らしめた本木雅弘。

その鬼気迫る眼差しはスクリーン越しでも圧倒的で、贋作描きの烙印を押された男が秘める矜持と苦悩を繊細に表現しています。
本木さんが築き上げた肉体と精神の“津山竜次”は、観客に本物の画家がそこにいると錯覚させる力を備えています。

◾️ 父は彫り師、自身は悲運の画家

津山竜次の家系は、北海道で代々木彫りを生業とする彫り師の家柄。
幼い頃から立体と線を同時に捉える視覚を養った彼は、十代後半で油彩画に転向するや否や数々のコンクールを席巻し賞賛されました。
しかし、当時貧しかった竜次が起こしたある事件をきっかけに、美術界から追放されてしまいます。そして恋人・田村安奈(小泉今日子)との別れを選択。
そのまま消息を絶った彼は、世間から“贋作者”のレッテルを貼られ続け、真価を問われる機会すら奪われました。
本作は、その不遇の軌跡を緻密な時間軸で振り返りつつ、芸術家の尊厳とは何かを問い直します。

◾️本木雅弘は全身全霊で、この役に向き合っているのだという覚悟を感じさせました。


卓越した身体表現に加え、沈黙の間合いを操る演技術が本作の空気密度を飛躍的に高め、倉本聰が綴った朴訥な台詞を美しい余白として際立たせています。
鑑賞後、“沈黙”そのものが雄弁に語る体験を味わえるのは、本木さんの徹底したアプローチなくしては成し得なかったといえるでしょう。

筆者がこの映画から感じる「美」とは、製作者の「魂の輝き」。誰にも真似することの出来ない「自身の存在を作品に昇華する」こと。また、あらゆるものを削ぎ落とした、「その人間そのもの」

そうしたものを全て映画という芸術作品に、本木さん自身の「心血を注ぎこんだ」もの。この作品が「美」そのものなのだと感じました。

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